卸売業・商社は、メーカー・生産者への仕入代金の支払いが先に来る一方、販売先(小売・飲食・工務店など)ごとの小口の売掛金を多数抱え、月次の締め・支払で回転させる業種です。製造業のように1件の大口売掛を長く寝かせるというより、件数が多く回転が早い分、仕入先払いの期日と販売先入金のわずかなズレが毎月積み上がります。本記事では、卸売の売掛金をファクタリングで現金化できる条件、そのズレを生む法的な前提、手形・でんさい・一括ファクタリングとの違い、当サイト掲載99社から小口と大口の両方に対応する会社を同条件で絞り込んだ比較表、2回目以降の継続利用の条件を明記する会社を整理します。
納品済みで請求書を発行した販売先への売掛金は、1件が小口でも販売先が多数でもファクタリングの対象になります。対象にならないのは、手形で受け取った代金(手形割引の領域)、でんさいで受け取った債権(でんさいの譲渡・割引の領域)、未納品・未請求の受注、そして販売先(支払企業)が金融機関と契約して導入する一括ファクタリングの枠組みで既に決済される債権です。販売先に知られたくない場合は2社間方式、料率を抑えたい大口取引は3社間方式が候補です。
当サイトの集計85社のうち、公式サイトで「卸売」「商社」を対象業種・利用業種として挙げる会社は6社(ピーエムジー・メンターキャピタル・買速・JTC・レガシア・アンカーガーディアン)ですが、業種名の記載は手数料や入金の条件を示さないため、業種名ではなく条件で絞ります。小口を都度売れる買取下限と月商規模に見合う上限がともに公表され、仕入先払いの期日に間に合う条件(法人対応・買取下限と上限をともに公表・公表最短が即日以内)を満たすのは26社、うち手数料を公表する24社を本文の表に掲載しました。26社の手数料下限の中央値は1.9%(0.5〜10%)、26社のうち上限まで公表するのは15社、最短2時間以内は14社です。2回目以降の手続や条件を公式サイトで明記する会社は11社です(§4)。
仕入先払いの期日は法律で上限が決まっている場合があります。中小受託取引適正化法(2026年1月1日施行の改正で下請法から名称変更)は、事業者が業として行う販売の目的物である物品の製造を他の事業者に委託する取引を「製造委託」とし(中小受託取引適正化法 第2条1項・e-Gov)、その代金の支払期日を給付の受領日から60日以内と定めています(同法 第3条1項・e-Gov)。自社ブランド(PB)商品の製造をメーカーに委託する卸売業者はこの「委託事業者」側になり得るため、適用される取引では仕入先払いを60日より先に延ばせません。一方、販売先からの入金サイトは売買契約で決まるため、この時差をファクタリングで埋める実務上の必要が残ります。
1. 卸売業・商社の資金繰りの特徴(小口多数・回転・仕入先払い)
- 仕入先払いが先に来る: メーカー・生産者・輸入元への支払いが、販売先からの入金より先になりやすい。在庫を持つ卸ほど立替期間が長い
- 販売先が多数で1件が小口: 小売店・飲食店・工務店など販売先ごとに「月末締め・翌月末払い」の売掛金が並び、1件あたりの金額は製造業の大口売掛より小さい
- 回転が早い: 月次で締めと入金が繰り返されるため、資金繰りのズレは一時的でも毎月発生する。1回きりでなく繰り返し使える条件(買取下限・2回目以降の手続)が効く
- 手形・でんさい・一括ファクタリングが残る: 販売先によっては、手形やでんさいでの支払い、販売先が導入する一括ファクタリングでの決済が残る取引がある(§4)
- 薄利多売・相場変動: 取扱高が伸びるほど立替総額が膨らむ一方、粗利率が薄いため手数料の許容幅が小さい
取扱高が伸びるほど運転資金が必要になる「増収増資金」の構造で、ファクタリングで販売先への売掛金を前倒し現金化すると、在庫・仕入れ向けの銀行融資枠を温存したまま仕入先払いに充てられます。
2. 仕入先払いと販売先入金の時差を生む法的前提
卸売業者は「仕入れて売る」立場ですが、自社ブランド(PB)商品や規格品の製造をメーカーに委託する場合は、中小受託取引適正化法(正式名称「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、通称「取適法」。2026年1月1日施行の改正で下請法から名称変更)の「製造委託」を行う側になり得ます。同法は、事業者が業として行う販売や製造の目的物である物品、その半製品・部品・附属品・原材料などの製造を他の事業者に委託する取引を製造委託と定義し(同法 第2条1項・e-Gov)、その代金の支払期日は、給付の内容について検査をするかどうかを問わず、給付を受領した日から起算して60日以内でできる限り短い期間内に定めなければならないとしています(同法 第3条1項・e-Gov)。制度全体の概要は公正取引委員会の「取適法とは」を索引として参照してください。
ここで押さえたいのは、適用の有無が委託する側・受ける側の資本金や従業員数などで決まり、自社の取引が対象かは同法の定義で確認が必要だという点と、適用される取引では仕入先への支払期日を60日より先に延ばせないという点です。単純に仕入れて転売する売買取引は製造委託ではないため、仕入先払いも販売先入金も契約で決まります。いずれの場合も、販売先からの入金サイト(月末締め翌々月払い以上になる取引もある)を卸売側が短縮できる場面は限られ、この時差を借入ではなく売掛金の売却で埋めるのがファクタリングの役割です。製造業側(受託する側)から見た60日ルールと手形交付の扱いは製造業のファクタリング§2で整理しています。
3. 掲載99社の同条件比較(法人対応・買取下限と上限を公表・即日以内)
当サイトの集計85社のうち、公式サイトで「卸売」「商社」「問屋」を対象業種・利用業種として挙げる会社は6社(ピーエムジー・メンターキャピタル・買速・JTC・レガシア・アンカーガーディアン)でした(2026年9月25日確認)。ただし業種名の記載は手数料や入金の条件を示さないため、業種名ではなく、卸売業が実際に使う条件——販売先ごとの小口売掛を都度売れるよう買取下限が公表され、月商規模に見合う買取上限も公表され(上限なし明記を含む)、仕入先払いの期日に間に合うよう公表最短が即日以内——で絞り込むと26社が該当します(集計85社の公表条件から抽出)。買取下限の内訳は下限なし4社・5万円1社・10万円10社・20万円2社・30万円6社・50万円2社・100万円1社、買取上限は上限なし9社・3億円4社・2億円1社・1億円6社・5,000万円4社・3,000万円1社・1,000万円1社です。26社の手数料下限の中央値は1.9%(公表24社、0.5〜10%)、上限まで公表するのは15社(上限の中央値10%、9.0〜20%)、最短2時間以内は14社、オンライン完結は22社、方式は2社間のみ5社・両対応19社・未公表2社です。
次の表は26社のうち手数料を公表する24社を、買取下限の低い順(同額なら買取上限の大きい順→手数料下限の低い順)に並べたものです。手数料・入金・買取額は各社公式LPの公表値で、未公表は「公式LP記載なし」と表記しています。表外の2社(セーフトラスト・クイックマネジメント)は公式サイトの表示本文に手数料率の記載がないため掲載していません(セーフトラストは公式サイトの構造化データに「手数料2.0%〜」の記載あり)。24社のうち売掛先通知なしを明記するのは20社、オンライン完結は21社です。
| 会社 | 手数料(公表) | 入金(公表最短) | 買取額(公表) | 方式 | 売掛先通知なし | オンライン完結 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%〜(上限LP記載なし) | 最短3時間 | 下限なし〜上限なし | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| オルタ | 2%〜9% | 最短即日 | 下限なし〜上限なし | 2社間 | ○ | ○ |
| ビートレーディング | 2社間4%〜/3社間2%〜 | 最短50分(300万円未満のポータル申込から) | 下限なし〜上限なし | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行 | 2%〜9% | 最短即日 | 下限なし〜上限なし | 2社間 | ○ | ○ |
| うんそうくん | 5%〜(上限LP記載なし) | 最短2時間 | 下限なし〜上限なし | 公式LP記載なし | 未公表 | ○ |
| バイオン | 一律10%・振込手数料500円別途 | 最短1時間(振込は契約後30分) | 5万円〜1,000万円 | 2社間 | ○ | ○ |
| ファストファクタリング | 2社間5%〜/3社間1%〜 | 最短2時間 | 10万円〜上限なし | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| ペイトゥデイ | 1%〜9.5% | 最短30分 | 10万円〜上限なし | 2社間 | ○ | ○ |
| MSFJ | 1.8%〜9.8% | 最短1時間 | 10万円〜3億円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| レガシア | 3%〜(上限LP記載なし) | 最短即日(契約後30分) | 10万円〜3億円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| 事業資金エージェント | 2社間5%〜20%/3社間1.5%〜9% | 最短2時間 | 10万円〜2億円 | 2社間・3社間 | 未公表 | ○ |
| ソクモ | 1%〜15% | 最短30分 | 10万円〜1億円 | 2社間 | ○ | ○ |
| ファクタリングのTRY | 2社間3%〜/3社間1.2%〜 | 最短2時間 | 10万円〜1億円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| シュクラン | 2%〜(上限LP記載なし) | 最短1時間 | 10万円〜1億円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| 買速 | 2%〜10% | 最短30分(申込から) | 10万円〜1億円 | 2社間・3社間 | 未公表 | ○ |
| レバンタ | 4%〜10% | 最短即日 | 10万円〜1億円 | 2社間・3社間 | 未公表 | ○ |
| トラストゲートウェイ | 2%〜9.5% | 最短即日 | 10万円〜5,000万円(売掛先1社あたり・審査により上限1億まで対応可能) | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| ファクタリングZERO | 1.5%〜10% | 最短即日 | 20万円〜5,000万円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| ネクストワン | 2社間5%〜10%/3社間1.5%〜 | 最短即日 | 30万円〜上限なし | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| トップ・マネジメント | 2社間3.5%〜12.5%/3社間0.5%〜3.5% | 最短2時間 | 30万円〜3億円(売掛先1社に対しての上限は1億円まで) | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| ベストファクター | 2%〜20% | 最短即日 | 30万円〜1億円 | 2社間・3社間 | ○ | × |
| うりかけ堂 | 1.5%〜(上限LP記載なし) | 最短90分 | 30万円〜5,000万円 | 2社間 | ○ | ○ |
| ファクターズ | 3%〜(上限LP記載なし) | 最短4時間 | 30万円〜3,000万円 | 公式LP記載なし | 未公表 | 未公表 |
| ピーエムジー | 2%〜10% | 最短即日(申込から最短30分) | 50万円〜上限なし(公式ページに2億円までの記載もあり) | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| 株式会社No.1 | 2社間0.5%〜15%/3社間0.5%〜5% | 最短30分 | 50万円〜3億円 | 2社間・3社間 | ○ | ○ |
| JTC | 1.2%〜10% | 最短即日 | 100万円〜上限なし | 2社間・3社間 | ○ | × |
※OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行はオルタと同じOLTA株式会社のサービス。ソクモは買速と同じ株式会社アドプランニングのサービス。ファクターズはファクタープランと同じ株式会社ワイズコーポレーションのサービス。社数の集計ではそれぞれ1社として数えています。
※「入金(公表最短)」は各社が公式LPで掲げる最短値で、書類完備・営業時間内の申込が前提です。買取額の「上限なし」は公式LPで上限を設けない旨を明記している会社で、実際の買取可否と金額は販売先の信用力により個別審査されます。買取下限は1回の申込あたりの下限で、販売先1社分の請求書がこれを下回る場合は複数の請求書をまとめて申し込めるかを各社に確認してください(§4)。
4. 複数債権の買取・継続利用・一括ファクタリングの扱い
複数の販売先の請求書をまとめて売れるか
卸売業では販売先1社分の請求書が買取下限に届かないことがあります。複数の請求書をまとめて1回の申込にできるかは実務上は各社の審査で決まり、当サイトの99社データでは「複数債権の一括買取」を公式LPで明記するかどうかをデータ化していないため、本記事では社数を示していません。関連する明記としては、「資金需要に応じた一部譲渡も可能」(NECキャピタルソリューション、3社間・法人向け・条件は個別相談)のように、売掛金の一部だけを売れることを公式に書く会社が1社あります。申込時には「請求書は何枚まで」「販売先は何社まで」「1枚あたりの下限はあるか」の3点を確認してください。
2回目以降の手続・条件を明記する会社
月次で繰り返し使う卸売業では、2回目以降の手続が軽いかが実質的なコストになります。集計85社の公式サイトで2回目以降の手続や条件を明記するのは11社です(2026年9月25日確認。明記内容の列は公式の文言)。
| 会社 | 明記内容 | 手数料(公表) | 入金(公表最短) |
|---|---|---|---|
| トップ・マネジメント | 公式「2回目以降リピートのご利用をお考えの経営者様にはお互いの手間を省く為、弊社も郵送契約という形も取らせて頂いております。」(2回目以降は郵送契約可) | 2社間3.5%〜12.5%/3社間0.5%〜3.5% | 最短2時間 |
| 株式会社No.1 | 公式「2回目からのご利用で更に早くなる」(2回目から更に早い) | 2社間0.5%〜15%/3社間0.5%〜5% | 最短30分 |
| メンターキャピタル | 公式「上記はあくまでも初回の買取時の内容となります。2回目以降は結果報告のスピードも格段に早くなります」(2回目以降は結果報告が早い) | 公式LP記載なし/要問合せ | 最短即日 |
| MSFJ | 公式「継続利用可能・リピート割引あり :複数回利用できり、継続利用による手数料割引特典あり。」(継続利用で手数料割引(フリーランス専門サービス)) | 1.8%〜9.8% | 最短1時間 |
| トラストゲートウェイ | 公式「当社 他社 … 手数料 利用回数に応じて 手数料が下がります。」(利用回数に応じ手数料低下) | 2%〜9.5% | 最短即日 |
| 電子請求書早払い | 公式「初回ご利用時は申込みから審査を含め最短5営業日、2回目以降は最短2営業日でご入金いたします。」(2回目以降は最短2営業日(審査は初回のみ)) | 1%〜6% | 最短2営業日 |
| Fintoファクタリング | 公式「※2回目以降の買取時は証憑類の提出のみ。」(2回目以降は証憑類の提出のみ) | 2%〜9.5% | 最短即日 |
| ペイトナー | 公式「2回目以降の申し込みでは、原則として請求書だけで申請できます。」(2回目以降は請求書のみ(原則)) | 一律10%・振込手数料330円別途 | 最短即日 |
| クールペイ | 公式「初回は15万円(税込)以上から申請することができます。2回目以降は別途最低3万円から申請可能です。」(2回目以降は最低3万円から) | 公式LP記載なし/要問合せ | 最短1時間 |
| ビートレーディング | 公式「上記はあくまでも初回買取時の内容となります。 2回目以降はSTEP1がなくなり、 STEP2の結果報告のスピードも格…」(2回目以降はSTEP1省略・結果報告が早い) | 2社間4%〜/3社間2%〜 | 最短50分(300万円未満のポータル申込から) |
| GMO BtoB早払い | 公式「ご利用2回目以降は、利用審査が不要です。」(2回目以降は利用審査不要) | 1%〜12%(請求書1〜10%・注文書2〜12%) | 最短2営業日 |
| セゾンファンデックス | 公式「初回は…4ステップ、2回目以降は請求データ送付と買取希望金額のお申込みの2ステップでご入金いたします。」(2回目以降は2ステップ) | 1%〜6% | 最短LP記載なし(締日から5営業日以内) |
※電子請求書早払いはGMO BtoB早払いと同じGMOペイメントゲートウェイ株式会社が買い取るサービス。社数の集計では1社として数えています。
2回目以降の見積で初回との差を確認してください(手数料の相場§7)。
手形・でんさい・一括ファクタリングは別の手段
- 手形で受け取った代金: 早期現金化は「手形割引」で、ファクタリングの対象にはなりません。手形買取を公式サイトで明記する会社は6社(SMBCファイナンスサービス(現・三井住友カード)、オリックス、三井住友ファイナンス&リース、SMTBリース、北洋銀行、JA三井リース)で、いずれも銀行・リース会社・カード会社系です(2026年9月25日確認)。違いはファクタリングと手形割引の違い
- でんさいで受け取った債権: でんさいネットは、でんさいを支払期日前に譲渡や割引ができ、必要な分だけ分割して利用できると案内しています(でんさいネット でんさいを受け取る)。判断軸はでんさいとファクタリングの違い
- 販売先が導入する一括ファクタリング: 販売先(支払企業)側が金融機関と契約し、納入業者への支払いを手形に代えて金融機関経由で決済する仕組みです。集計85社のうち公式サイトで一括ファクタリングを明記するのは7社(三菱UFJファクター・りそな決済サービス・百十四銀行・北洋銀行・静岡銀行・かるガルファクタリング・四国銀行)で、かるガルファクタリング(運営会社セイノーフィナンシャルの別サービス)のほかは銀行・銀行グループ系です(2026年9月25日確認)。導入主体は販売先側で、納入業者が自分で会社を選ぶ本記事のファクタリングとは別の枠組みなので、販売先から案内があれば手数料負担と入金日を確認したうえで併用の可否を判断してください
5. 事業規模別の活用と注意点
| 事業形態 | 主な悩み | 向いている方向性 |
|---|---|---|
| 小規模卸・個人商店 | 仕入先払いの数十万円が月末に足りない | §3の表で買取下限10〜30万円・最短2時間以内の会社。販売先に知られたくなければ「売掛先通知なし」○の2社間。少額の考え方は少額ファクタリング |
| 中堅卸(月次の運転資金) | 取扱高の拡大で毎月の立替が増える | §3の表のうちオンライン完結の会社を月次で運用。2回目以降の手続を明記する会社(§4)も候補。会社の絞り込みはファクタリング会社の選び方 |
| 商社・大口卸 | 大手販売先への大口売掛と長い入金サイト | §3の表の上限なし・3億円・2億円の会社。承諾が得られるなら3社間で料率を下げる。手順は大口ファクタリングの流れ、金額帯別は金額別の比較 |
- 薄利との手数料バランス: 26社のうち上限まで公表するのは15社(上限の中央値10%)。粗利率が手数料の上限を下回る取引には使わず、上限で試算できる会社を優先する。相場は手数料の相場と99社の手数料一覧
- 償還請求権付きの契約は避ける: 金融庁は、償還請求権があるなど経済的に貸付けと同様の機能を持つ取引は貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しています(金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起)
- 審査は販売先ごとに見られる: 販売先の信用力と、請求書・納品書・入金履歴の整合が鍵。販売先が多数の卸売では、入金履歴が通帳で追える販売先の請求書から出すと通りやすい(審査に落ちる理由と対処法)
- 恒常的な不足は構造改善を: 毎月同じ請求書を売り続ける状態は手数料が累積する。在庫回転・仕入条件・販売先の入金サイトの見直しを並行する
6. 関連記事との使い分け
本記事は「卸売業の小口多数・回転の早い売掛金で使える条件と、小口から大口まで対応する会社の同条件比較」に絞っています。検収・手形と60日ルールが論点になる受託側の話は製造業のファクタリング(製造=検収と手形、卸売=小口多数と回転、と役割を分けています)、同じく多数の取引先と月次で回る運送業のファクタリング、モール入金サイトが論点のEC・ネットショップのファクタリング、紙の手形との比較はファクタリングと手形割引の違い、でんさいとの比較はでんさいとファクタリングの違い、少額の請求書は少額ファクタリング、大口の手順は大口ファクタリングの流れにまとめています。
7. よくある質問
Q1. 卸売業でファクタリングが使われるのはなぜですか?
A. 仕入先への支払いが販売先からの入金より先に来る一方、販売先ごとの小口の売掛金が多数あり月次で回転するため、取扱高が伸びるほど立替資金が毎月積み上がるからです。納品済みで請求書を発行した売掛金は1件が小口でも対象になるので、ファクタリングで前倒し現金化して仕入先払いに充てられます。製造委託に当たる仕入れで、委託する側・受ける側の資本金や従業員数の条件から中小受託取引適正化法が適用される場合は、支払期日を受領日から60日以内に定める必要があり、仕入先払いを先に延ばせない点も理由の一つです。
Q2. 複数の販売先の請求書をまとめて売れますか?
A. 可否は各社の審査で決まります。当サイトの99社データでは複数債権の一括買取を公式LPで明記するかをデータ化していないため社数は示せませんが、売掛金の一部だけを譲渡できることを明記する会社は1社(NECキャピタルソリューション)あります。申込時に請求書の枚数・販売先の社数・1枚あたりの下限の3点を確認してください。本記事の表は買取下限を公表する会社に絞っているので、1回の申込の下限は表で分かります。
Q3. 利益率が薄いのですが使って大丈夫ですか?
A. 手数料が粗利を上回る取引には使わないでください。本記事で絞り込んだ26社のうち手数料の上限まで公表するのは15社(上限の中央値10%)で、下限しか公表しない会社では見積を取るまで実際の料率が分かりません。上限で試算できる会社を優先し、仕入先払いの期日が迫る月や大口の販売先の請求書など使いどころを絞るのがおすすめです。
Q4. 販売先が手形やでんさい、一括ファクタリングで支払う場合は?
A. 手形で受け取った代金の早期現金化は手形割引、でんさいは支払期日前の譲渡・割引(でんさいネットの案内では必要な分だけ分割して利用可)という別の手段になり、請求書ベースのファクタリングの対象にはなりません。販売先が金融機関と契約して導入する一括ファクタリングは導入主体が販売先側の仕組みで、集計85社のうち公式サイトで一括ファクタリングを明記するのは7社(かるガルファクタリングの運営会社の別サービスのほかは銀行・銀行グループ系)です。手形・でんさい・一括ファクタリングで決済される前の、請求書段階の売掛金が本記事のファクタリングの対象です。
Q5. 取扱高が伸びて毎月資金繰りが厳しいです。継続して使えますか?
A. 使えます。集計85社の公式サイトで2回目以降の手続や条件を明記するのは11社(§4の表、2026年9月25日確認)で、審査や書類の省略(GMO BtoB早払い・Fintoファクタリング・ペイトナーなど)、最低額の引下げ(クールペイ)、手数料の優遇(MSFJのリピート割引、トラストゲートウェイの利用回数に応じた引下げ)などです。本記事で絞り込んだ26社はすべて公表最短が即日以内で、オンライン完結は21社なので、月次運用は表のオンライン完結○の会社から検討し、恒常的な不足は在庫回転・仕入条件・販売先の入金サイトの見直しを並行してください。
更新履歴
- 掲載会社の社名変更(2026年10月1日、三井住友トラスト・パナソニックファイナンスからSMTBリースへ)を表・本文の会社名に反映
- 仕入先への支払期日(受領日から60日以内)の説明を、中小受託取引適正化法が適用される場合(委託する側・受ける側の資本金や従業員数の条件)に合わせて訂正
- 買取額の出典を公式サイトの記載の優先順位(サービス・料金の頁 > よくある質問 > LP > ブログ・コラム・ランキング記事)で見直し、トップ・マネジメント・バイオンの買取額と関連する集計を更新
- 会社を評価・順位づけする表現(最上級・推奨の語など)を、その会社の公式サイトの文言(出典つき)か掲載データに合わせて書き直し、株式会社No.1の買取額を公式サービスページの記載(50万円〜3億円)に訂正
- 条件別の集計では条件にあてはまる掲載の数値を使うようにし、同じ会社の掲載の順を集計に使う掲載と同じ3段階で決めて再計算
更新履歴は編集履歴から自動生成しています(直近5件、表現の微修正や内部的な変更は除く)。