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EC・ネットショップのファクタリング

最終更新日:

EC・ネットショップ・通販事業は、モールや決済代行の「締め日〜入金日」のサイクルで売上が後から入る一方、仕入れ・在庫・広告費が先に出ていきます。本記事では、ECの売上のうちファクタリングの対象になり得る債権(モール・決済代行への売上債権、BtoB卸の売掛金)とその法的前提、個人事業主のネットショップでも少額から使える会社を当サイト掲載99社から同条件で絞り込んだ比較表、注意点を解説します。

EC・ネットショップのファクタリングを解説するイラスト

EC・ネットショップ・通販事業の売上は、モールや決済代行会社が購入者から代金を受け取り、締め日ごとにまとめて後日振り込む形で入ります。一方、商品の仕入れ・在庫・広告費は販売前に出ていくため、売れているのに手元資金が足りない状態が成長期ほど起きやすい業種です。本記事では、ECの売上のどこがファクタリングの対象になり得るのか、その法的な前提、個人事業主のネットショップでも少額から使える会社を当サイト掲載99社から同条件で絞り込んだ比較表、注意点を整理します。

結論(先に答え)

ECで確実にファクタリングの対象になるのは、法人・小売店などへ請求書を発行して後日入金されるBtoB卸の売掛金です。モール・決済代行からの入金待ち分(売上確定後・振込前の債権)も売掛債権ではありますが、譲渡できるかは各モール・決済代行の規約と各ファクタリング会社の審査で決まり、本記事では「対象になる」とは断定しません。当サイトの集計85社の公式サイト(2026年9月25日確認)で、決済代行会社・カード会社からの入金待ち債権の買取を明記する会社は1社(エスコム)、EC・ネットショップ・通販を対象業種・利用業種として挙げる会社は1社(トップ・マネジメントのペイブリッジ)です(ペイブリッジは利用者の例示に「ECサイト関連事業者」を挙げていますが、利用対象はIT業・広告業です)。

法律上、債権は原則として譲り渡すことができ、譲渡を制限する特約があっても譲渡自体の効力は妨げられません(民法 第466条1項・2項・e-Gov)。ただし特約を知っていた、または重大な過失で知らなかった譲受人に対しては債務者が履行を拒めるため(同条3項)、モール・決済代行の規約に譲渡制限があるかを申込前に確認するのが実務上の前提です。

業種名では絞れないため、個人事業主のECでも使える条件(個人事業主対応・買取下限を公表・オンライン完結・モールに通知しない2社間方式に対応)で絞ると26社、うち手数料を公表する23社を本文の表に掲載しました。23社の手数料下限の中央値は2%(0.5〜10%)、26社のうち上限まで公表するのは15社、公表最短は全社が即日以内で2時間以内は16社です。

1. ECの資金繰りの特徴(締め日〜入金のサイクル・仕入れと広告の先行)

「売れているのに仕入れ資金が足りない」典型で、ファクタリングで入金待ちの売掛金を前倒し現金化すると、在庫・広告向けの借入枠を温存したまま次の仕入れに充てられます。

2. ファクタリングの対象になるECの債権(モール・決済代行・BtoB卸)

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ECの売上の種類債権の相手(売掛先)ファクタリングでの扱い
BtoB卸(法人・小売店・他ECへの掛売り)卸先の法人・事業者納品済み・請求書発行済みなら通常の売掛債権として対象。売掛先の信用力で審査される
モール経由の売上(入金待ち分)モール運営会社売上確定後・振込前の債権。譲渡できるかはモールの規約と各社の審査次第で、本記事では断定しない
自社サイトのカード・後払い決済(入金待ち分)決済代行会社同上。集計85社の公式サイトでカード決済の入金待ち債権(決済代行会社・カード会社への債権)の買取を明記する会社は1社
購入者(消費者)への後払い債権を自社で持つ場合個人の購入者売掛先が個人になる。集計85社で売掛先が個人事業主の請求書も買取可と公式サイトで明記するのは4社(トラストライン・ペイトナー・バイオン・かるガルファクタリング)で、一般消費者宛の債権を対象と明記する会社は0社

法律上の前提は2つあります。第一に、債権は譲り渡すことができ、当事者が譲渡を制限する意思表示をしていても債権譲渡の効力は妨げられません(民法 第466条1項・2項・e-Gov)。ただし、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、または重大な過失によって知らなかった譲受人に対しては、債務者は債務の履行を拒むことができます(同条3項)。モール・決済代行の利用規約で譲渡制限が公開されている場合、この悪意・重過失の判断に影響し得るため、規約の確認なしに「モール入金分は対象」とは言えません。譲渡制限特約の詳しい扱いは譲渡制限特約とファクタリングにまとめています。

第二に、債権譲渡を債務者(売掛先)に主張するには、譲渡人からの通知または債務者の承諾が必要です(民法 第467条1項・e-Gov)。3社間方式はこの通知・承諾を売掛先に求める仕組みですが、モールや決済代行会社に個別の承諾を依頼するのは現実的でないため、ECでは売掛先に通知しない2社間方式が実務上の前提になります。§3の表はこのため2社間方式に対応する会社に絞っています(仕組みは2社間ファクタリングの仕組み)。

3. 掲載99社の同条件比較(個人事業主対応・買取下限公表・オンライン完結・2社間)

当サイトの集計85社のうち、公式サイトで「EC」「ネットショップ」「通販」を対象業種・利用業種として挙げる会社は1社(トップ・マネジメントのペイブリッジ)でした(2026年9月25日確認。ペイブリッジは利用者の例示に「ECサイト関連事業者」を挙げていますが、利用対象はIT業・広告業です)。そこで業種名ではなく、個人事業主のネットショップでも使える条件——個人事業主・フリーランスに対応し、少額の請求書でも出せるよう買取下限が公表され(下限なし明記を含む)、店舗運営の合間に手続きできるオンライン完結で、モール・決済代行に通知しない2社間方式に対応——で絞り込むと26社が該当します(集計85社の公表条件から抽出)。買取下限の内訳は下限なし4社・1万円3社・3万円2社・5万円1社・10万円10社・20万円2社・30万円2社・50万円2社です。26社の手数料下限の中央値は2%(公表23社、0.5〜10%)、上限まで公表するのは15社(上限の中央値10%、9.0〜20%)、公表最短は全社が即日以内で2時間以内は16社、方式は2社間のみ9社・両対応17社です。

次の表は26社のうち手数料を公表する23社を、買取下限の低い順(同額なら手数料下限の低い順→速い順)に並べたものです。手数料・入金・買取額は各社公式LPの公表値で、未公表は「公式LP記載なし」と表記しています。表外の3社(ウィット・クールペイ・セーフトラスト)は公式サイトの表示本文に手数料率の記載がないため掲載していません(セーフトラストは公式サイトの構造化データに「手数料2.0%〜」の記載あり)。23社のうち売掛先通知なしを明記するのは21社、オンライン完結は23社すべてです。「一律10%」の3社は手取りが事前に確定する代わりに下限料率の交渉余地がありません。1万円から使える3社のうち、ラボルとAGビジネスサポートは買取上限(買取額の上限)を公式サイトに記載しておらず、ペイトナーは利用可能枠の上限が最大300万円(初回は最大50万円、公式FAQ)です。

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会社手数料(公表)入金(公表最短)買取額(公表)方式売掛先通知なし
日本中小企業金融サポート機構1.5%〜(上限LP記載なし)最短3時間下限なし〜上限なし2社間・3社間○
ビートレーディング2社間4%〜/3社間2%〜最短50分(300万円未満のポータル申込から)下限なし〜上限なし2社間・3社間○
オルタ2%〜9%最短即日下限なし〜上限なし2社間○
OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行2%〜9%最短即日下限なし〜上限なし2社間○
AGビジネスサポート2%〜9.9%最短即日1万円〜上限LP記載なし2社間・3社間○
ラボル一律10%最短30分(審査後)1万円〜上限LP記載なし2社間○
ペイトナー一律10%・振込手数料330円別途最短即日1万円〜300万円(初回は最大50万円)2社間○
トラストライン10%〜(上限LP記載なし)最短30分(審査後)3万円〜300万円(初回上限)2社間○
バイオン一律10%・振込手数料500円別途最短1時間(振込は契約後30分)5万円〜1,000万円2社間○
ソクモ1%〜15%最短30分10万円〜1億円2社間○
ペイトゥデイ1%〜9.5%最短30分10万円〜上限なし2社間○
ファストファクタリング2社間5%〜/3社間1%〜最短2時間10万円〜上限なし2社間・3社間○
ファクタリングのTRY2社間3%〜/3社間1.2%〜最短2時間10万円〜1億円2社間・3社間○
事業資金エージェント2社間5%〜20%/3社間1.5%〜9%最短2時間10万円〜2億円2社間・3社間未公表
MSFJ1.8%〜9.8%最短1時間10万円〜3億円2社間・3社間○
買速2%〜10%最短30分(申込から)10万円〜1億円2社間・3社間未公表
シュクラン2%〜(上限LP記載なし)最短1時間10万円〜1億円2社間・3社間○
トラストゲートウェイ2%〜9.5%最短即日10万円〜5,000万円(売掛先1社あたり・審査により上限1億まで対応可能)2社間・3社間○
レガシア3%〜(上限LP記載なし)最短即日(契約後30分)10万円〜3億円2社間・3社間○
レバンタ4%〜10%最短即日10万円〜1億円2社間・3社間未公表
ファクタリングZERO1.5%〜10%最短即日20万円〜5,000万円2社間・3社間○
トップ・マネジメント2社間3.5%〜12.5%/3社間0.5%〜3.5%最短2時間30万円〜3億円(売掛先1社に対しての上限は1億円まで)2社間・3社間○
うりかけ堂1.5%〜(上限LP記載なし)最短90分30万円〜5,000万円2社間○
株式会社No.12社間0.5%〜15%/3社間0.5%〜5%最短30分50万円〜3億円2社間・3社間○
ピーエムジー2%〜10%最短即日(申込から最短30分)50万円〜上限なし(公式ページに2億円までの記載もあり)2社間・3社間○

※OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行はオルタと同じOLTA株式会社のサービス。ソクモは買速と同じ株式会社アドプランニングのサービス。社数の集計ではそれぞれ1社として数えています。

※「入金(公表最短)」は各社が公式LPで掲げる最短値で、書類完備・営業時間内の申込が前提です。買取額の「上限なし」は公式LPで上限を設けない旨を明記している会社で、実際の買取可否と金額は売掛先の信用力により個別審査されます。モール・決済代行への売上債権を対象にするかは表の条件に含まれていないため、申込前に各社の公式LPまたは問合せで確認してください。

4. 個人事業主のEC・少額での使い方と注意点

事業形態主な悩み向いている方向性
個人事業主のネットショップ次の仕入れ数万〜数十万円が入金日まで足りない§3の表で買取下限1万〜10万円の会社。売掛先が法人でない場合の可否は各社に確認。少額の考え方は少額ファクタリング
法人EC(卸売掛がある)卸先の入金サイトと仕入先払いのズレBtoB卸の請求書から出すのが最も通りやすい。卸売掛の条件は卸売業・商社のファクタリング
広告費を先行投資する成長期EC毎月の広告費と在庫で立替が増え続ける§3の表のうち上限まで公表する15社で手数料を上限で試算し、粗利率を下回る月は使わない。相場は手数料の相場

5. 関連記事との使い分け

本記事は「ECの売上のどこが対象債権になるか(モール・決済代行・BtoB卸の区別と民法上の前提)と、個人事業主のECでも少額から使える会社の同条件比較」に絞っています。卸先への掛売りが主体で小口多数・回転の早い売掛金の条件は卸売業・商社のファクタリング、フリーランス・個人事業主向けの会社選びはフリーランス向けファクタリングランキングとフリーランス完全ガイド、数万円単位の請求書の考え方は少額ファクタリング、来店不要の手続きはオンラインファクタリングガイド、売掛先に知られない方式は売掛先に通知しないファクタリング、譲渡制限特約の扱いは譲渡制限特約とファクタリングにまとめています。顧問料など個人事務所の月次請求は士業・専門サービス業のファクタリング(個人事業主対応・買取下限公表・オンライン完結の25社)にまとめており、本記事の抽出条件との違いは2社間対応を条件に加えた点です。

6. よくある質問

Q1. ネットショップでもファクタリングは使えますか?

A. 使えます。確実に対象になるのは、法人・小売店などへ請求書を発行して後日入金されるBtoB卸の売掛金です。モール・決済代行からの入金待ち分も売掛債権ですが、譲渡できるかは各モール・決済代行の規約と各ファクタリング会社の審査で決まります。当サイトの集計85社の公式サイトでカード決済の入金待ち債権(決済代行会社・カード会社への債権)の買取を明記する会社は1社のため、対象にしたい場合は申込前に各社の公式LPで確認してください。

Q2. モールや決済代行からの入金分も対象になりますか?

A. 本記事では「対象になる」とは断定しません。法律上、債権は譲渡制限の特約があっても譲渡自体の効力は妨げられませんが(民法466条2項)、特約を知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人に対して債務者は履行を拒めるため(同条3項)、モール・決済代行の利用規約に譲渡制限があるかがまず問題になります。そのうえで、その債権を扱うかは各ファクタリング会社の審査次第です。BtoB卸の売掛金があればそちらから出すのが確実です。

Q3. モールに知られずに使えますか?

A. 売掛先への通知や承諾を求めない2社間方式なら、モール・決済代行に連絡は行きません。債権譲渡を売掛先に主張するには通知または承諾が必要ですが(民法467条1項)、2社間方式は売掛先への通知・承諾(債務者対抗要件)を備えない代わりに(登記で第三者対抗要件を備える実務はあります)、利用者が入金後にファクタリング会社へ支払う仕組みです。本記事の表で絞り込んだ26社はすべて2社間方式に対応し、表23社のうち売掛先通知なしを公式LPに明記するのは21社です。

Q4. 個人事業主のネットショップでも少額から使えますか?

A. 使えます。本記事では個人事業主対応・買取下限を公表・オンライン完結・2社間方式に対応の条件で26社に絞り込み、買取下限は1万円3社・3万円2社・5万円1社・10万円10社・20万円2社・30万円2社・50万円2社でした。1万円から使える3社のうち2社は手数料一律10%(手数料の上限は公表済み)です。買取上限(買取額の上限)はラボルとAGビジネスサポートが公式サイトに記載しておらず、ペイトナーは利用可能枠の上限が最大300万円(初回は最大50万円、公式FAQ)です。売掛先が個人事業主の請求書も買取可と公式サイトで明記するのは集計85社中4社(トラストライン・ペイトナー・バイオン・かるガルファクタリング)です。

Q5. 手数料はどれくらいかかりますか?

A. 本記事で絞り込んだ26社のうち手数料を公表する23社の下限の中央値は2%(0.5〜10%)、上限まで公表する15社の上限の中央値は10%(9.0〜20%)です。下限しか公表しない会社は見積を取るまで実際の料率が分からないため、上限で試算できる会社を優先し、粗利率が手数料の上限を下回る取引には使わないでください。掲載99社全体の公表値は「99社の手数料一覧」で確認できます。

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