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不動産業のファクタリング

最終更新日:

不動産業(仲介・管理・リフォーム・原状回復)の売掛債権は、仲介手数料・管理委託料・工事代金の3種類に分かれ、案件単位で金額が大きく入金日が決まっている点が特徴です。本記事では、どの債権がファクタリングの対象になるか、物件を担保に入れる不動産担保ローンとの違い(売買・担保不要)、大口の売掛金を決済日・着工日に間に合わせて現金化できる会社を当サイト掲載99社から同条件で絞り込んだ比較表、注意点を解説します。

不動産業のファクタリングを解説するイラスト

不動産業(仲介・管理・リフォーム・原状回復など)は、案件単位で動くため報酬・工事代金の入金日が案件ごとに決まり、1件あたりの金額が大きい一方、広告費・外注工事費・人件費は先行します。本記事では、不動産業の売掛債権のうちどれがファクタリングの対象になるか、物件を担保に入れる不動産担保ローンと何が違うか、大口の売掛金を決済日・着工日に間に合わせて現金化できる会社を当サイト掲載99社から同条件で絞り込んだ比較表、注意点を整理します。

結論(先に答え)

対象になるのは、法人・事業者への請求書を発行して後日入金される仲介手数料・管理委託料・工事代金です。売買仲介の報酬を決済と同時に受け取る契約では売掛金は発生せず、個人顧客からの一括決済も対象になりません。仲介報酬は宅地建物取引業法により国土交通大臣が定める額を超えて受け取れない(宅地建物取引業法 第46条1項・2項・e-Gov)ため、売掛金の上限は告示の料率(売買の媒介は代金400万円超の部分で3.3%など)で決まり、大口になるのは物件価格の大きい法人取引と、案件ごとの工事代金です。

ファクタリングは売掛債権の売買(民法 第555条・e-Gov)で借入ではないため、物件を担保に入れる不動産担保ローンと異なり担保・保証人は本来不要です。集計85社の公式サイトで担保・保証人とも不要と明記する会社は34社ですが、償還請求権(買戻し義務)を付ける契約は金融庁が貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しており、契約書で確認が必要です(§2)。

当サイトの集計85社のうち、公式サイトで「不動産」を対象業種・利用業種として挙げる会社は4社(日本中小企業金融サポート機構・えんナビ・ファストファクタリング・ペイトナー)ですが、業種名の記載は手数料や入金の条件を示さないため、条件で絞ります。案件単位の大口売掛を決済日・着工日に間に合わせる条件(法人対応・公表買取上限が5,000万円以上または上限なし・公表最短が即日以内)を満たすのは37社、うち手数料を公表する35社を本文の表に掲載しました。37社の手数料下限の中央値は2%(0.5〜5%)、37社のうち上限まで公表するのは21社、最短2時間以内は19社、個人事業主にも対応するのは29社です。

1. 不動産業の売掛債権(仲介手数料・管理委託料・工事代金)と資金繰りの特徴

債権の種類売掛先金額・入金日の決まり方ファクタリングでの扱い
仲介手数料(売買・賃貸の媒介報酬)依頼者(法人オーナー・事業者・個人)宅建業法46条で国土交通大臣が定める額が上限。告示では売買の媒介は依頼者の一方につき代金200万円以下の部分5.5%・200万円超400万円以下4.4%・400万円超3.3%、貸借の媒介は依頼者双方から合計で借賃1か月分の1.1倍以内(いずれも消費税等相当額を含む額)(国土交通省 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額・昭和45年建設省告示第1552号、最終改正 令和6年国土交通省告示第949号)請求書を発行して後日入金される法人・事業者宛の分は対象。決済と同時に受領する契約では売掛金にならず、個人顧客からの一括決済は対象外
管理委託料(PM・BM報酬)オーナー法人・管理会社管理委託契約で月額と支払日が決まる。1件は小口だが毎月継続する月次の請求書として対象。継続利用の条件(買取下限・2回目以降の手続)が効く
工事代金(原状回復・リフォーム・修繕)オーナー法人・管理会社・元請け請負契約で完工後または出来高で後払い。1件が数十万〜数千万円完工・検収後に請求した分は対象。未完工・未請求の分は対象外(下請の場合は建設業のファクタリング)

2. 不動産担保ローンとの違い(売掛債権の売買・担保不要)

項目ファクタリング不動産担保ローン
法的性質売掛債権の売買契約(民法 第555条・e-Gov)金銭消費貸借(借入)
担保・保証人売掛債権そのものを売るため本来不要(公式サイトで担保・保証人とも不要と明記する会社は集計85社中34社)物件に抵当権を設定する
返済義務なし(売掛先が支払う)。償還請求権付きの契約は貸付けと同様の機能を持つおそれ(金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起)あり(元利返済)
金額の上限売掛債権の額面が上限(各社の買取上限内)物件の評価額に対する掛け目
向く場面決済日・完工日まで数週間〜2か月の入金待ちを埋める設備・仕入用地など長期資金

債権は原則として譲り渡すことができ、譲渡を制限する特約があっても譲渡の効力は妨げられません(民法 第466条1項・2項・e-Gov)。ただし特約を知っていた、または重大な過失で知らなかった譲受人に対しては債務者が履行を拒めるため(同条3項)、管理委託契約・工事請負契約に譲渡制限の条項があるかは申込前に確認してください。金融庁は、ファクタリングとして行われる取引でも、償還請求権があるなど経済的に貸付けと同様の機能を持つものは貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しています(金融庁 ファクタリングの利用に関する注意喚起)。「担保不要」でも買戻し条項がある契約は避け、ローンとの費用比較はファクタリングとビジネスローンの違い§3の実数で確認してください。

3. 掲載99社の同条件比較(法人対応・買取上限5,000万円以上または上限なし・即日以内)

当サイトの集計85社のうち、公式サイトで「不動産」「宅建」「仲介」「管理委託」を対象業種・利用業種として挙げる会社は4社(日本中小企業金融サポート機構・えんナビ・ファストファクタリング・ペイトナー)でした(2026年9月25日確認)。ただし業種名の記載は手数料や入金の条件を示さないため、業種名ではなく、不動産業の売掛金が実際に必要とする条件——案件単位の大口に対応できるよう公表買取上限が5,000万円以上または上限なし(公式LP明記)で、決済日・着工日に間に合うよう公表最短が即日以内で、法人に対応——で絞り込むと37社が該当します(掲載99社のうち受付終了1社を除く98社の公表条件から抽出、同じ会社が運営する掲載は1社として85社で集計)。買取上限の内訳は上限なし13社・3億円5社・2億円1社・1億円8社・5,000万円10社です。37社の手数料下限の中央値は2%(公表35社、0.5〜5%)、上限まで公表するのは21社(上限の中央値10%、9〜20%)、最短2時間以内は19社、オンライン完結は31社、個人事業主・フリーランスにも対応するのは29社、方式は2社間のみ8社・両対応28社・未公表1社です。

次の表は37社のうち手数料を公表する35社を、買取上限の大きい順(上限なしが先頭、同額なら手数料下限の低い順→速い順)に並べたものです。手数料・入金・買取額は各社公式LPの公表値で、未公表は「公式LP記載なし」と表記しています。表外の2社(セーフトラスト・クイックマネジメント)は公式サイトの表示本文に手数料率の記載がないため掲載していません(セーフトラストは公式サイトの構造化データに「手数料2.0%〜」の記載あり)。35社のうち売掛先通知なしを明記するのは31社、オンライン完結は30社、個人事業主にも対応するのは27社です。

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会社個人事業主手数料(公表)入金(公表最短)買取額(公表)方式売掛先通知なし
ペイトゥデイ○1%〜9.5%最短30分10万円〜上限なし2社間○
QuQuMo○1%〜(上限LP記載なし)最短2時間(申込から)下限LP記載なし〜上限なし2社間○
ファストファクタリング○2社間5%〜/3社間1%〜最短2時間10万円〜上限なし2社間・3社間○
JTC○1.2%〜10%最短即日100万円〜上限なし2社間・3社間○
日本中小企業金融サポート機構○1.5%〜(上限LP記載なし)最短3時間下限なし〜上限なし2社間・3社間○
ネクストワン×2社間5%〜10%/3社間1.5%〜最短即日30万円〜上限なし2社間・3社間○
ビートレーディング○2社間4%〜/3社間2%〜最短50分(300万円未満のポータル申込から)下限なし〜上限なし2社間・3社間○
3Sファクタリング○2%〜19%最短2時間下限LP記載なし〜上限なし2社間○
オルタ○2%〜9%最短即日下限なし〜上限なし2社間○
ピーエムジー○2%〜10%最短即日(申込から最短30分)50万円〜上限なし(公式ページに2億円までの記載もあり)2社間・3社間○
財務再生支援センター×2社間8%〜18%/3社間2%〜9%最短即日下限LP記載なし〜上限なし2社間・3社間○
Fintoファクタリング×2%〜9.5%最短即日下限LP記載なし〜上限なし2社間○
OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行○2%〜9%最短即日下限なし〜上限なし2社間○
うんそうくん○5%〜(上限LP記載なし)最短2時間下限なし〜上限なし公式LP記載なし未公表
株式会社No.1○2社間0.5%〜15%/3社間0.5%〜5%最短30分50万円〜3億円2社間・3社間○
トップ・マネジメント○2社間3.5%〜12.5%/3社間0.5%〜3.5%最短2時間30万円〜3億円(売掛先1社に対しての上限は1億円まで)2社間・3社間○
MSFJ○1.8%〜9.8%最短1時間10万円〜3億円2社間・3社間○
JPS×2社間5%〜10%/3社間2%〜8%最短1時間(契約まで)下限LP記載なし〜3億円2社間・3社間○
レガシア○3%〜(上限LP記載なし)最短即日(契約後30分)10万円〜3億円2社間・3社間○
事業資金エージェント○2社間5%〜20%/3社間1.5%〜9%最短2時間10万円〜2億円2社間・3社間未公表
アクセルファクター○2社間1%〜12%/3社間0.5%〜10.5%最短即日下限LP記載なし〜1億円2社間・3社間○
ソクモ○1%〜15%最短30分10万円〜1億円2社間○
ファクタリングのTRY○2社間3%〜/3社間1.2%〜最短2時間10万円〜1億円2社間・3社間○
買速○2%〜10%最短30分(申込から)10万円〜1億円2社間・3社間未公表
シュクラン○2%〜(上限LP記載なし)最短1時間10万円〜1億円2社間・3社間○
共栄サポート×2%〜(上限LP記載なし)最短2時間下限LP記載なし〜1億円2社間・3社間○
ベストファクター○2%〜20%最短即日30万円〜1億円2社間・3社間○
レバンタ○4%〜10%最短即日10万円〜1億円2社間・3社間未公表
エーストラスト×2社間5%〜15%/3社間1%〜4.9%最短2時間(申込から)下限LP記載なし〜5,000万円2社間・3社間未公表
うりかけ堂○1.5%〜(上限LP記載なし)最短90分30万円〜5,000万円2社間○
ファクタリングZERO○1.5%〜10%最短即日20万円〜5,000万円2社間・3社間○
売掛金PAY×2%〜(上限LP記載なし)最短90分下限LP記載なし〜5,000万円2社間・3社間○
トラストゲートウェイ○2%〜9.5%最短即日10万円〜5,000万円(売掛先1社あたり・審査により上限1億まで対応可能)2社間・3社間○
KISマネジメント×2%〜(上限LP記載なし)最短即日下限LP記載なし〜5,000万円2社間・3社間○
アンカーガーディアン○2社間5%〜15%/3社間3%〜10%最短即日下限LP記載なし〜5,000万円2社間・3社間○
Progress○3%〜(上限LP記載なし)最短即日下限LP記載なし〜5,000万円2社間・3社間○
オッティ○5%〜(上限LP記載なし)最短3時間下限LP記載なし〜5,000万円2社間○

※OLTAクラウドファクタリング supported by 静岡銀行はオルタと同じOLTA株式会社のサービス。ソクモは買速と同じ株式会社アドプランニングのサービス。社数の集計ではそれぞれ1社として数えています。

※「入金(公表最短)」は各社が公式LPで掲げる最短値で、書類完備・営業時間内の申込が前提です。買取額の「上限なし」は公式LPで上限を設けない旨を明記している会社で、実際の買取可否と金額は売掛先(オーナー法人・管理会社・元請け)の信用力により個別審査されます。「個人事業主」○は個人事業主・フリーランスにも対応する会社で、個人の宅建業者・管理業者でも申し込めますが、売掛先が法人であることを条件にする会社(例: レガシア「売掛先が法人なら個人事業主も利用可」)があります。

4. 事業形態別の活用と注意点

事業形態主な悩み向いている方向性
仲介会社(売買・賃貸)法人取引の仲介報酬が決済日まで入らず、広告費が先に出る§3の表で最短2時間以内の会社。個人顧客の決済同時払いは対象外なので、法人宛の請求書だけを出す
管理会社(PM・BM)月次の管理委託料と外注修繕費のズレが毎月続く1件が小口なら買取下限が公表されている会社(§3の表で「10万円〜」等)を月次で運用。継続条件の明記例は卸売業のファクタリング§4
リフォーム・原状回復業者完工後の工事代金入金まで材料費・外注費を立て替える§3の表の上限なし〜1億円の会社。元請けの下請なら建設業のファクタリング、大口の手順は大口ファクタリングの流れ

5. 関連記事との使い分け

本記事は「不動産業の3種類の売掛債権(仲介手数料・管理委託料・工事代金)が対象になる条件と、不動産担保ローンとの違い、案件単位の大口を決済日に間に合わせられる会社の同条件比較」に絞っています。元請けへの工事売掛と長い入金サイトは建設業のファクタリング、買取上限1億円以上または上限なしの会社を速さの条件なしで一覧にした表は製造業のファクタリング§3、大口の申込から入金までの手順は大口ファクタリングの流れ、金額帯別の会社比較は金額別の比較、借入との費用比較はファクタリングとビジネスローンの違い、士業事務所など個人事務所の少額請求は士業・専門サービス業のファクタリングにまとめています。

6. よくある質問

Q1. 不動産業でもファクタリングは使えますか?

A. 使えます。対象になるのは、法人・事業者へ請求書を発行して後日入金される仲介手数料・管理委託料・工事代金です。売買仲介の報酬を決済と同時に受け取る契約では売掛金が発生せず、個人顧客からの一括決済も対象になりません。当サイト掲載99社(受付終了1社を除く98社、同じ会社が運営する掲載は1社として85社で集計)のうち、公式サイトで不動産業を対象業種・利用業種として挙げる会社は4社(日本中小企業金融サポート機構・えんナビ・ファストファクタリング・ペイトナー)です。法人対応・買取上限5,000万円以上または上限なし・即日以内の条件で絞ると37社が該当します。

Q2. 仲介手数料はいくらまで売掛金になりますか?

A. 宅地建物取引業者が受け取れる報酬の額は国土交通大臣が定める額が上限で、これを超えて受け取ることはできません(宅地建物取引業法46条1項・2項)。告示では、売買の媒介は依頼者の一方につき代金200万円以下の部分5.5%・200万円超400万円以下4.4%・400万円超3.3%、貸借の媒介は依頼者双方から合計で借賃1か月分の1.1倍以内で、いずれも消費税等相当額を含む額です(令和6年改正後の告示)。売掛金になるのはこの範囲で請求書を発行し、後日入金される分です。

Q3. 物件を担保に入れる必要はありますか?

A. ありません。ファクタリングは売掛債権の売買(民法555条)で借入ではないため、不動産担保ローンのように物件へ抵当権を設定する必要はなく、保証人も本来不要です。集計85社の公式サイトで担保・保証人とも不要と明記する会社は34社です。ただし償還請求権(買戻し義務)を付ける契約は、金融庁が経済的に貸付けと同様の機能を持つものとして貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しているため、契約書で確認してください。

Q4. 原状回復・リフォーム工事の代金は対象になりますか?

A. 完工・検収後に請求書を発行した分は対象です。未完工・未請求の受注や出来高未確定の分は対象になりません。1件が数百万〜数千万円になる工事代金は、本記事の表で買取上限が5,000万円以上または上限なしの会社に申し込みます。元請けの下請として工事する場合は建設業のファクタリングも参照してください。

Q5. 個人の不動産オーナーや個人の宅建業者でも使えますか?

A. 事業として法人・事業者宛の売掛金(管理委託料・法人取引の仲介報酬など)があれば使えます。本記事で絞り込んだ37社のうち個人事業主・フリーランスにも対応するのは29社、表の37社では29社です。ただし売掛先が法人であることを条件にする会社(例: レガシア「売掛先が法人なら個人事業主も利用可」)があるため、売掛先が個人の場合は各社に確認してください。

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